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知ってたら通ぶれる! そば屋の通し言葉がおもしろい

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日本が誇る麺のひとつ、そば。
高級店から立ち食いのリーズナブルなお店まであり、たくさんの人に愛されています。

個人的によく行くのは富士そばです。
飲んだあとに食べるとつゆの味が身体に染みて、
酔いが醒める気がして(気がするだけ)、心地よく帰路に就けます。

そばの歴史は深く、1574年の文献に、「定勝寺の修復工事で金永からそば切が振舞われた」という一文が記されているそうです。
江戸時代には、「通し言葉」がよく使われていたそうです。

通し言葉というのは、店内用語や符丁を交えながら、店員が客からの注文を調理場に伝えるときの言葉です。
素早く伝えるために簡略化した言葉です。
老舗の中には今でも使っている店もあるようです。

そんな通し言葉の中から、おもしろいものを抜粋しました。
分かりづらいものも多いのですが、やたらと風情があります。
きっと、人に話したくなりますよ。





出物
注文された商品のこと。


通す
出物を調理場に伝えること。


つく(つき)
1個を意味します。
たとえば、天ぷらそば1杯とかけそば2杯の場合、
「天つき3杯のかけ」と通します。
「つき」の前にくる出物が1杯、「つき」の後にくる数は合計数です。
合計数の後ろにくる出物は、「合計数マイナス1杯」ということです。

公式のように表すと、
x つき n 杯の yx が 1 杯と y (n-1) 杯の合計 n
とても憶えやすいですね。


まじり
2個を意味します。
たとえば、天ぷらそば2杯とかけそば1杯の場合、
「天まじり3杯のかけ」と通します。
「つき」の2個版の言葉なので、法則は割愛します。


勝ち(勝って)
出物の合計が5杯以上の奇数で、2種類の出物の数の差が1杯のときに使います。
たとえば、天ぷらそば4杯とかけ3杯の場合、
「天ぷら勝って7杯かけ」と通します。
「勝って」の前にくる出物が多い方です。

公式のように表すと、
x 勝って n yx (n÷2+0.5) 杯と y (n÷2-0.5) 杯の合計 n

天ぷらそば2杯とかけ2杯のように、2種類の出物が同数の場合は、
「天ぷらとかけで4杯」と通します。


 
まく
出物が3種類以上のときに使います。
たとえば、天ぷらそば1杯とかけそば2杯とざるそば1枚の場合、
「天つき3杯のかけ、まくで、ざる1枚」と通します。


台変わり
本来うどんで作る商品(あんかけ、かき玉など)をそばで作るように注文があったときに使います。
「台変わりであんかけ1杯」のように通します。
本来そばで作る商品(天ぷらなど)をうどんで作るように注文があったときは、
「うどんで天ぷら1杯」のように通します。


斤(きん)
大盛りを意味します。
「斤で願います」と通します。


桜(さくら)
少なめを意味します。
「桜で願います」と通します。


岡(おか)
別盛りを意味します。
「岡で天ぷら」と通すと、天ぷらが別盛りで出てきます。


お声掛かり
客から声が掛かってから出物を用意すること。
たとえば、お酒を飲んだ後にそばを食べる客のためなどに使います。


 
これでまだまだ一部です。
店員さん、憶えるの大変ですね。

書いていたらそばが食べたくなってしまいました。
立ち食いそば屋にでも寄って帰ろうかな。


そば打ち名人




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