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井上陽水『少年時代』の歌詞「風あざみ」ってなに?

ブログに歌詞を掲載するとJASRACがうるさいのかなぁと躊躇していましたが、いつのまにかOKになっていたみたいですね。


それならば是が非でも、天才・井上陽水の歌詞について語らせていただきたい。
我々世代だと、歌詞提供をしていたパフィーへの楽曲でその才能を知った方も多いでしょう。

「白のパンダを どれでも 全部並べて」アジアの純真

「ハッスル音頭で 飛び交う カモメは BOAC」渚にまつわるエトセトラ

「止まり木に あの ハリソン・フォード 私たちは スゴイ ラッキーガール」渚にまつわるエトセトラ

 みなさんご存じと思いますので、特に引っかかる一部だけ抜粋しました。
ハリウッドスターまで出してきて本当に意味が分かりません。


 

もちろん、本人の楽曲もかなり仕上がっています。
数ある楽曲の中でも私は『リバーサイドホテル』が好きなんですが、

誰も知らない夜明けが明けた時

と、いきなり言葉の重複から始まります。
全体的にもねっとりとしたストーリーが見えて、妙にリアル。
ご存じない方はぜひ聴いてみてください。

※下記画像リンクから Prime Music で無料で聴けます


自身最大のヒット曲『少年時代』の歌詞

さて本題です。
日本人なら誰もが知っている名曲『少年時代』の歌詞です。

ディズニー映画『あの夏のルカ』のエンドソングとしてヨルシカのカバーバージョンでも話題になりましたね。



Aメロからすぐに現れる、

夏は過ぎ 風あざみ

この風あざみって何?
辞書を引いても出てきません。
花の名前で「アザミ」はあるらしいのですが、風あざみはありません。

アザミが風に揺れている様子なのかな?

そう解釈するのが関の山。
特に掘り下げていなかった人も多いのではないでしょうか。

※藤子不二雄Ⓐの同名映画の主題歌でもあります


「SONGS」(NHK総合)に出演した本人がこれについて回答しています。

「オニアザミ(花のアザミの仲間)という言葉がふと浮かんだ時に、きっとカゼアザミもあるんだろうなと思った。もしそれが無かったとしてもそれでいい。実在しない言葉を歌詞に使ったからといって罪に問われることは無いだろうからWikipediaより引用

 つまりそうなんです、風あざみ何の意味もない、井上陽水の造語なんです。

スガシカオがこの意味を井上陽水に直接訊いたところ、ニターっと笑って「そんな言葉ないんだよ」と言われたというエピソードもあります。(放送室で高須光聖が話していました)

2番の同じ箇所に出てくる「宵かがり」も同様に、井上陽水の造語です。
いかにもありそうな言葉なので完全にスルーしていました。


 

意味なさそうな言葉が本当に意味がなかったり、意味がありそうな言葉が全く意味がなかったり、とにかく意味のない歌詞なのにこんなにも魅き込まれます。

ぜひいろいろ聴いてみてください。
きっとやみつきになりますよ。