「60%OFF」と「50%OFFレジでさらに20%OFF」 おトクなのはどっち?
友達と、あるアパレル店に入った。
セール期間らしく、60%OFFやら50%OFFやらを告知したポスターや札が店内の至るところに貼られていた。
「店内最大60%OFFですー!」
店員さんも大きな声を張り上げて宣伝している。
活気があって気持ちがいい。
「ただ今タイムセール中なので、レジでさらに20%OFFでーす!」
ここまでくると、もともとの値段はどれだけぼったくってるんだよ、なんて思ってしまう。
それでも、安く買えるというのは嬉しいものだ。
店内をうろうろしていると、若いカップルの会話が耳に入ってきた。
女「50%OFFがレジでさらに20%OFFになるってことは、合計70%OFFってこと?」
男「うん、そうゆうことでしょ」
女が男に質問していた。
いやいや、違うよ!
レジに行く前にちゃんと計算してみなよ!
当然、そんなふうに声を掛けることはできず、商品を持ってレジに向かう2人の背中を見送った。
少し離れたところにいた友達と合流し、そのカップルの話をすると、
「え? 70%OFFになるんじゃないの?」
ちょ、お前もかい!
もしかして、そう勘違いしている人が意外と多い…?
おトクに見せるマジック
たとえば、「60%OFF」の商品Aと、「50%OFF レジでさらに20%OFF」の商品Bがあるとする。
AもBもセール前の価格は同じとする。
ぱっと見、どちらがおトクに感じられるだろうか?
アンケートを取ってみた。
どっちが安い?(ちゃんと計算するより、パッと見でお答えいただけると嬉しいです)
— 西山 一 (@1_24yama) 2017年1月15日
だいたい60%くらいの人が、Bの方がおトクだと回答した。
私が見たカップルと同じように、実質70%OFFになると考えたのかもしれない。
しかし、それは間違いなのだ。
そう感じられるよう、店側が仕掛けた計算のマジックなのだ。
「レジでさらにOFF」の計算方法
上記のAとB、どちらがおトクなのかを順に計算してみよう。
カンタンに計算するには、商品価格を100円とするのが最も楽だ。
<商品A>60%OFF
100円×40%(=100%-60%)=40円
<商品B>50%OFF レジでさらに20%OFF
会計前:100円×50%(=100%-50%)=50円
会計時:50円×80%(=100%-20%)=40円
ご覧のように、どちらも40円になった。
Bの方がおトクに見えるが、Bも実質60%OFFだったのだ。
よって、「同じ」が正解である。
アンケートでの正答率は約30%だった。
実質割引率を考えよう
おトクの度合いを知りたい場合は、実質割引率を計算してみるといい。
「70%OFF レジでさらに10%OFF」を例に計算してみる。
どんな場合でも商品価格を100円として計算するのがコツ。
会計前:100円×30%=30円
会計時:30円×90%=27円
100円の商品が27円になったので、
100%-27%=73%
ゆえに、実質73%OFF
80%OFFだと勘違いしてしまっていたら、7%もズレが生まれてしまう。
財布の中のお金が足りなかったら大変なので、スマホの電卓でさっと計算しよう。