今日もまた終わる。

都内だけでも30万人はいる平凡なサラリーマン。ライターもやってます。

言葉が足りない少女

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大きな騒ぎにはなっていないが、私が中学2年生のとき、クラスの女子が技術の教師にセクハラを受けた。
その女子と私はクラス内の班も同じで、給食の時間などはよく会話をしていた。
読者モデルをやるようなキレイなコだった。

なるほど、40歳前後の教師でも魔が差していまうのは分からないでもないが、我慢してこその教師だ。
そう思うと、女子高の男性教師はもっと大変なんだろうなと思う。

給食の時間、彼女は班のメンバーにセクハラの内容を話した。


 


そのときの技術の課題は、机に置けるサイズの木の本棚作り。
ブックエンドを成形するため、彼女が台と一体化した、立ったまま使うタイプの電動ノコギリを使っていたときだった。

「ちゃんとできてるかー?」
「キャッ!」

教師が彼女の後ろから腰に手を回した。
驚きと恐怖で、彼女はそれ以上声を出せなかったらしい。
思春期の少女には特に苦痛だったろう。
普段活発で、うるさいくらいに明るい彼女が声を出せなかったことがそれを物語っている。

「中学生に触るなんて、ヘンタイだよね?」

彼女は私に同意を求めた。

「うん、ヘンタイだね」

男子3人、女子2人のこの班全員に順番に同意を求め、全員同意した。
彼女はそれがよほど嬉しかったのか、離れた席にいる彼女と仲の良い女子に向かって大声で言った。

「ねぇねぇ、この班全員ヘンタイ!」

足りてねぇよ。


数年後、偶然バイト先が一緒になった彼女はえらくビッチ化していた。
なんだか、少しでも心配したのが無駄に感じた。


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