読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日もまた終わる。

都内だけでも30万人はいる平凡なサラリーマン。ライターもやってます。

春一番の約束

f:id:yama241:20170323012900j:plain



お題「よく口ずさんでいる曲」


暦の上ではとっくに春。
なるほど、ここのところ暖かくなってきて、昼間はコートなしでも外を歩ける。
街のスピーカーから桜をテーマにした曲が流れてきたりして、暦の上だけでなく、体感できる時期になってきた。


小学生の頃、『ボキャブラ天国』が大好きだった。
特に初期の、素人がハガキを投稿していた頃が好きだった。
家族揃って食卓を囲んで、20インチほどのテレビに目を奪われていた。

ある日の放送終了後、

「よし、浮かんだぞ!」

父の自信に満ちた表情。
投稿するネタを思いついたらしい。


「もうすぐハ~ゲですねぇ~」

父が満を持して発表したのは、キャンディーズの『春一番』の替え歌。
今思うと、とんでもないスベりっぷりである

しかしながら、当時はこれが面白くてたまらなかった。
幼く、箸が転んでもおかしい年頃のことだから許してほしい。

母がハガキを書き、家族で意気揚々と投稿したが、当然採用されることはなかった。





それでもこの替え歌を気に入ってしまった私と弟は、しばしば家で口ずさんでいた。

「もうすぐハ~ゲですねぇ~」

「ハゲ」というワードとキャッチーなメロディ。
幼い私たちの脳に刺青のように跡をつけた。

「お前ら、それおじさんの前では歌うなよ」

おじさんというのは、伯母の旦那のこと。
これがまぁハゲ散らかしているのだ。
幼いとはいえ察することはできたので、父の注意にただ頷いた。
「もうすぐ」というより、「すでに」だけどね。


数日後、伯母とおじさんが、従妹を連れてウチに遊びに来た。
オチがバレている気がするが続ける。

当時3歳の従妹がとても可愛くて、弟と3人でボールを投げたりゲームをしたりして遊んでいると、
テンションが上がった弟がやらかしてしまう。

「もうすぐハ~ゲですねぇ~」

時が止まった気がした。
自分のミスに気づいた弟は混乱した。

「あ、あの…ごめんなさい!」

さらに重ねてやりやがった。
謝ってしまったら、もうそれはそれのことになってしまう。

「えっ! ごめんなさいって何?」

空気を読んで、おどけてみせるおじさん。
父と母は腹を抱えて笑っていやがった。

おじさんと伯母は離婚して、おじさんには会えなくなったけど、
楽しい思い出をありがとう。
春になる度、あなたの頭皮を思い出すよ


エチュード春一番(第1曲)